Fコードが押さえられない。セーハ(バレー)をすると指が痛い。そう感じて、ギターで挫折してしまう人は少なくありません。
この記事では、ギターのセーハのコツを、Fコードを題材に解説します。Fコードが押さえられない原因を整理し、力を入れずに鳴らす3つのステップを、弾き語りのコードチェンジではなく、ソロギターの曲の中で使う視点でお伝えします。
私自身、ギターを始めた頃に、Fコードで何度も指を痛めた経験があります。
- セーハで指が痛くなり、Fコードが押さえられない方
- ギターをしばらく置いていて、再開したい方
- Fコードを、曲の中で使えるようにしたい方
セーハ(バレーコード)をクリアするための具体的手段と一緒に提案します。
Fコードが押さえられない3つの理由|セーハが痛くなる原因
セーハ(バレー)とは、人差し指で複数の弦を同時に押える技法です。Fコードは、セーハを使うバレーコードの代表的な形で、ギターを始めてから最初に挫折しやすい壁の1つです。
押えられないのは、才能の欠如ではありません。多くの場合、原因は次の3つのどれかにあります。
理由1:セーハは、1本の指に無理のある役割を与えている
Fコードのセーハは 、人差し指1本で6本の弦を同時に、均等な圧力で押さえます。さらに、他の指でもフレットを押さえます。指の力と関節の柔軟性を、同時に求められる動作です。
始めたばかりの手は、まだこの動作に対応できる状態に育っていません。セーハが痛い、押さえられないというのは、手の準備がこれからだという段階の問題です。
理由2:楽器によって、セーハに必要な力が大きく違う
同じFコードの形でも、スチール弦のギターとナイロン弦のクラシックギターでは、必要な力が大きく違います。
スチール弦は張力が高く、6本の弦を均等に押さえ切るには、それなりの握力が要求されます。
私の見立てでは、Fコードで心が折れた方の多くが、スチール弦のギターで挑んでいた、という共通点があります。私自身も、クラシックギターに持ち替えて、初めて音がすっと出た経験があります。
理由3:最初から、Fコードの完成形を求めている
多くの人は、練習の初日から「6本すべての弦がきれいに鳴る」状態を目指してしまいます。しかし本来は、鳴る弦の数を少しずつ増やしていく、段階的な進め方の方が理にかなっています。
この途中の経過を認めないまま「自分には弾けない」と判断してしまうことが、早い時期にギターをやめてしまう大きな要因です。
セーハのコツ|Fコードを力を入れずに鳴らす3つのステップ

ここからは、セーハとFコードのコツを、感覚に頼らず、動作として確かめられる3つのステップ(PointA~C)にまとめます。曲の中でFコードを使えるようになるまでを、順に確認します。
PointA:セーハのコツは「押さえつけない」フォームを創る事(起動テスト)
多くの人が、Fコードで人差し指に全力を込めて、押さえつけてしまいます。実はこれが、セーハで指が痛くなる原因の1つで、逆効果になります。
指には、力を入れなくても弦にしっかり触れる角度があります。第一関節を少し曲げて、指のその面を弦に当てます。それだけで、必要な力は大きく減ります。
この段階では、きれいに音を出す事より、力を抜いた状態でこのフォームを保てるかどうかが大切です。痛みや違和感が強い時は、無理に続けず、休んでください。
PointB:セーハで崩れる場所を知り、親指の位置を変えるコツ(負荷テスト)

設計図の中で、いちばん負荷がかかる部分です。ハーフセーハと、左手のストレッチが同時に求められます。
- ハーフセーハとは?
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左手の人差し指で全弦ではなく、一部の弦(通常は1弦〜3弦や4弦など)だけをまとめて押さえる技法。
ここは、最初から全部きれいに鳴らす必要はありません。見てほしいのは「どこで崩れるか」です。
崩れた場所が、そのまま、あなたが直すべきポイントになります。
確認してほしいのは、親指の位置です。
指が疲れる方の多くは、親指をネック上のほう(上端より)に置いています。中央よりやや下に下げてみて下さい。支点が変わるだけで、人差し指にかかる圧力の分配が大きく変わります。
PointC:最初の1音から使えるFコードのコツ(統合テスト)

最後は、これまでの動きを曲の中でつなぐ部分です。最初の音は1弦から出しますが、手のフォームはFコードで弾き始めます。
曲(Fコード攻略設計図)の最後では、1~6弦を使ったFコードをしっかり押さえる必要があります。ただし、最初の1音を鳴らすときは、必ずしも6弦のFを押さえなくても大丈夫です。
ここまで来られたとき、Fコードは「押さえるだけの形」から「実際に使える形」に変わります。全体を通して弾けな良くてもかまいません。
大切なのは、A→B→Cの順に、1つずつ通過できたかどうかです。
動画でセーハとFコードの実演を見る
PointA~Cを、実際の曲の中で実演しながら解説しています。動画で扱っている部分の楽譜も、動画内で公開しています。
実際に観て、聴いて頂くと理解が早くなります。
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まとめ|セーハのコツは、力ではなく手順にある
Fコードが押さえられない、セーハで指が痛い。それは、才能の欠如ではなく、構造と進め方の問題です。力を入れずに鳴らすには、次の3つの順に確認します。
- 第一関節を少し曲げ、力を抜いたままセーハのフォームを保つ
- 負荷がかかる箇所で崩れる場所を知り、親指の位置を中央よりやや下にする
- 最初の1音から、使える形でFコードを弾き始める
闇雲に痛い指を我慢するより、構造を取り入れて少しずつ進んだ方が早い、ということはよくあります。ギターで挫折する前に、まずはPointAのフォームから試してみて下さい。
