「サイレントギターで毎日練習していたら、本番で音が出なくなった気がする」
「先生にサイレントギターばかり使うなと言われた」
「下手になるという口コミを見てから、使うのが怖くなった」
この記事を開いたあなたは、おそらくこういう不安を抱えている可能性が高いでしょう。
結論から言います。「サイレントギターで練習すると下手になる」——これは半分本当で、半分嘘。
私はSLG120NWを長年使い、クラシックギターのオリジナル独奏曲を30曲制作し、メソッド化までしました。
その過程で「下手になる使い方」と「上達する使い方」の両方を、身をもって経験することができました。
この記事では、その経験をもとに問題を徹底検証します。
読み終えれば、サイレントギターとの正しい付き合い方が明確になるはずです。
結論:下手になる人はいる。でも原因はギターではない
「サイレントギターで練習するとクラシックは下手になる」
この意見は確かに存在します。
私は長年サイレントギターを使い、完全クラシック独奏曲を30曲制作し、実演・解説まで行ってきました。
結論は明確です。
下手になる人はいます。
しかし、それは“楽器のせい”ではありません。
原因は使い方です。
なぜ「下手になる」と言われるのか
① 音量に甘える
サイレントギターは生音が小さい。
そのため、右手の打弦が弱くても「弾けている気」になります。
クラシックは“鳴らす技術”の楽器。
音量が小さい環境では、鳴らす訓練が抜け落ちる危険があります。
② 響きを聴かなくなる
生ギターは箱鳴りがあります。
サイレントギターは構造上、空気振動の情報量が少ない。
そのため、
・和音のバランス
・倍音の広がり
・減衰の美しさ
を聴く意識が薄れると、音楽が平面的になります。
③ 右手の深さを作らない
クラシックは「弦に対してどれだけ右手が深く入るか(右手のタッチ)」が音色を決めます。
サイレントギターは音量が出ないため、浅いタッチでも成立してしまう。
これが最大の落とし穴です。
では本当に上達できないのか?
結論は逆です。
正しく使えば、むしろ強くなります。
理由は3つ。
① 弱音コントロールが強制的に鍛えられる
小さい音しか出ない環境では、
・音の粒
・指の角度
・タッチの均一性
が露骨に出ます。
誤魔化しが効きません。
② 左手の脱力が洗練される
サイレントギターは箱鳴りで音が膨らまない。
だからこそ、左手の無駄な力が音の硬さとして出ます。
繊細さを作る訓練になります。
③ 録音前提練習に向いている
サイレントギターはライン録音が容易。
- ライン録音とは?
-
アンプやスピーカーを通さず、ケーブルでギターとPCやオーディオインターフェースを直接繋いで録音する方法。
周囲に音が漏れず深夜でもクリアな音質で手軽に録音が可能。
録音して聴く練習を前提にすれば、成長速度は速いでしょう。
できる限り空間を通した音が良いですが、この選択肢はサイレントギターで最高のアドバンテージとなります。
実演比較で分かる決定的な違い
同一フレーズを3パターンで弾きます。
- サイレントギターで無意識に弾く
- サイレントギターで鳴らす意識を持って弾く
- 通常クラシックギターで弾く
違いは明確です。
楽器ではなく、意識の差です。
対策:サイレントギターで上達する正しい使い方
① 毎回「最大音量」を確認する
練習の最初に必ずフォルテ(強く・大きく)で鳴らす。
出せる最大値を身体に覚えさせる。
② 録音して確認する
主観は当てになりません。
録音は嘘をつきません。
③ 週1回は生ギターで確認する
この方法は可能ならの話ですが、定期的に生楽器でチェック。
タッチの深さを再調整します。
「生ギターも弾きたい気持ち」はここでしっかり整理できます。
④ 音量ではなく“音質”を聴く
大きいか小さいかではない。
右手で創る音の粒立ち、芯、余韻。
そこに集中します。
このポイントは生ギターでも同じで、クラシックギター最大の楽しみの一つ。
この楽しみはサイレントギターでしっかり味わうことができます。
結論:サイレントギターは武器にも毒にもなる
使い方を間違えれば劣化します。
しかし、
意識して使えば
弱音コントロール・精度・録音感覚が飛躍的に向上します。
私はサイレントギターでクラシック独奏を構築しました。
だから断言できます。
下手になるかどうかは、あなた次第です。
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